しっかりとした家を万一に備えてつくる。

震度7の地震が2回、震度6の地震が5回、発生した熊本地震。大きな揺れがここまで続けて襲うこともあることを日本に住まう私たちは知りました。一度の大きな揺れを何とか乗り越えたとしても、建物の変形による損傷で、二度目以降の揺れに耐えられなくなるようでは、本当に「地震に強い」家だとは言えない。「繰り返し地震」にも耐えることは、当たり前の前提とし、変形を小さくすることで建物の損傷を抑えることをめざし、技術開発に取り組み続けてきたパナホーム。そうしてたどり着いたのが、「大型パネル構造」と「制震鉄骨軸組構造」という2つの構造です。前者は強固なブロック体を形成することで優れた耐震性を実現。後者は高層ビル建築で採用される制震技術を住宅用にダウンサイジングすることで、圧倒的な強さを見せます。業界屈指の強靭さを実現するパナホームのテクノロジーをご紹介します。

地震エネルギーを吸収する新鋼材

業界初。地震エネルギーを吸収する新鋼材※工業化住宅業界で初めて合金めっきされた低降伏点鋼を採用(2017年3月当社調べ)

住まいを芯から強くするために。一般の鋼材に比べ、約2倍の伸び性能を持ち、
地震エネルギーをいち早く吸収する、新しい鋼材を開発。

硬さと伸びの良さを兼ね備えた新鋼材。

エネルギー吸収力の高い鋼材を追い求め、私たちがパナホーム専用に開発したのは、添加元素を極力低減した、純鉄に近い鋼材(低降伏点鋼)です。硬さは一般的な鋼材と同じであるにも関わらず、揺れによる力がかかったときには一般の鋼材に比べて、約2倍の伸び性能を発揮し、エネルギーを吸収。熱エネルギーに変えて逃がす画期的な鋼材です。さらに、業界で初めて、合金めっきを施したこの新鋼材は、従来に比べてエネルギー吸収能力が150%アップしています。

揺れを引き受ける斜材の芯材として使用。

この新開発の鋼材を組み込んでいるのは、パナホームが誇る高耐力フレームの斜材。パナホームの耐力フレーム用の鋼材として、大臣認定も取得している信頼性の高い新鋼材は、地震の際には、柱や梁よりも先に伸び縮みすることで、地震エネルギーをいち早く吸収し、建物の変形を抑えることにより、接合部の損傷も抑えます

建物の変形を抑える複合型斜材

独自開発。建物の変形を抑える複合型斜材

高層ビル向け制震技術の応用に成功。
鉄の強さを最大限に引き出す、パナホーム独自のテクノロジー。

圧縮の力には弱いという、細長い鋼材の課題。

地震の揺れに襲われたとき、耐力フレームの斜材には、「引張」の力だけでなく、「圧縮」の力も加わります。一般的な細長い鉄棒によるブレース構造は「圧縮」に弱く、一度ぐにゃりと大きく曲がれば(座屈)、もう力を負担できなくなってしまいます。繰り返し地震に耐えるためには、世界の高層ビル建築で使われている「座屈拘束技術」が必要だったのです。

 

独自の「座屈拘束技術」の開発に成功。

コストが高く、住宅には採用できないというのが常識だった「座屈拘束技術」。その常識を私たちの開発が覆すこととなりました。様々な試行錯誤を経て、パナホームオリジナルの座屈拘束の開発に成功し、特許を取得。「引張」に強くなった新開発の芯材(低降伏点鋼)を、さらに「圧縮」にも曲がらないように挟み込んで補強することにより、地震エネルギーを吸収し、建物の変形を抑制する複合型斜材「アタックダンパー」が完成したのです。

※特許6068578

 
繰り返し地震にも強い高耐力制震フレーム

独自開発。繰り返し地震にも強い高耐力制震フレーム

新鋼材の力と「座屈拘束技術」で、繰り返し変形性能実験でも、
耐力性能がほぼ低下しない真の強さへ。

震度7の地震200回分以上に相当する実験をクリア。

新開発の新鋼材と独自の座屈拘束技術により、「引張」にも「圧縮」にも耐力を発揮する複合型斜材「アタックダンパー」が誕生。これを「K」という文字のような形に組むことで、パナホームならではの高耐力制震フレーム「アタックフレーム」が完成しました。これまで「地震に強い」と言われていた耐震性能のレベルを進化させ、東日本大震災の築館波の1.2倍に相当する変形試験を180回繰り返しても、ほとんど耐力性能が低下しないことが実証されています。この実験で「アタックフレーム」が吸収した地震エネルギーは、震度7の地震200回分以上に相当します。

※当社実験データに基づく試算。

 

美しい荷重変形曲線が、続く強さの証明です。

「アタックフレーム」は、ブレースが伸びきってたわんでしまうことにより耐力が発揮できなくなる(スリップ現象)などの恐れがなく、大きな地震後も安定した強度を保ち続けます。通常なら、荷重と変形の度合いをグラフ化した「荷重変形曲線」は、荷重がかかるたびに乱れていくのですが、「アタックフレーム」の場合は、ほぼ一定の美しい曲線を描き続け、安定してエネルギーを吸収し続けます。

 
地震にも抜けにくいM24アンカーボルト

業界トップクラス。地震にも抜けにくいM24アンカーボルト※工業化住宅業界における、軽量鉄骨構造のアンカーボルト径として。(2017年3月当社調べ)

揺れにくく、変形しにくい構造体となったとき、地震のエネルギーが
次に襲うのは建物と基礎の接合部。ここにも抜かりはありません。

アンカーボルトで基礎と建物を強固に緊結。

「アタックフレーム」と基礎は、業界トップクラスの太さを誇るM24アンカーボルトで緊結します。さらにアンカーボルトの端部を頭付き形状とすることで、引き抜き強度を高め、地震による大きな力が加わっても基礎から抜けたり、破断されたりする心配がなく、住まいを支え続けます。

※アンカーボルトの長さは設計条件により異なる場合があります。

 

頑強な鉄筋コンクリート布基礎を採用。

地震への真の強さを追求した「アタックフレーム」がその性能を発揮するためには、それを受け止められる強い基礎が必要です。そこで、基礎は強靭な鉄筋コンクリート布基礎を採用しました。入念な地盤調査を行い、基礎を設計します。

 
15cmきざみの自由設計

業界最小。設計の自由度を高める15cmモジュール※工業化住宅業界において(2017年3月当社調べ)

真の強さから生まれた大きな自由。
規格化を追求してきた工業化住宅の常識を打ち破る業界最小モジュール対応。

お客さまの多様なニーズに応える「プラン対応力」

構造に十分な強さを備えることで、手に入れたのが、プランの自由性です。座屈拘束技術を採用した耐力フレームは、繰り返し地震に強いだけではなく、一枚当たりが負担する力も大きく、設置枚数を少なくすることができるため、間仕切り壁の少ない大空間の設計が可能です。最大6mの大スパンや、1、2階の吹き抜けのリビングなど、タテにもヨコにも広がるダイナミックな空間が実現可能。壁が少ないことはリフォームのしやすさにもつながります。お客様の多様な二―ズに、強さと柔軟性でお応えします。

15cmモジュールで、敷地や空間を最大活用

建築におけるモジュールとは、材料や設計の基本単位。これを規定することで、準備する材料の数を減らして、効率よく設計、生産、建設を行うことができます。90、91、100cmといったモジュールを基本に、その半分の寸法まで対応するのが一般的です。パナホームは、独自の邸別生産、設計の仕組みにより、業界最小の15cmまで対応。様々な制約条件のある限られた敷地を、最大限に有効活用でき、間取りの自由度も格段に広がります。

 

※隣地境界線と建物の距離については別途法令上の制限に従う必要があります。

加振実験で繰り返し地震での強さを実証

本物の住宅を使った日本最大の加振実験で強さを実証。※2011年6月、日本最大の加振能力を有する実験施設にて実施。

東日本大震災を超えるエネルギー量の加振にも、外壁タイルが一つも落ちませんでした。

140回の実大住宅振動実験で強さを実証。

真の地震への強さを実証するために、私たちパナホームは実大の住宅を用いて、140回に及ぶ過酷な耐震実験を実施。東日本大震災の築館波や阪神・淡路大震災の神戸波、新潟・中越地震の地震波など、大地震を57回、中地震83回を含む振動実験を行いました。実験後の検証では、建物や構造体に目立った損傷はなく、繰り返す地震への強さを実証しました。窓ガラスが割れなかったり、外壁タイルが落ちなかったことは、建物の変形の小ささを示しています。

過去の大地震以上のエネルギー量にも挑戦。

これまでの大地震よりも大きな加振も行いました。これは、国内最大級の実験施設における油圧能力の限界に挑戦したもので、阪神・淡路大震災神戸波の4.3倍、東日本大震災築館波の1.8倍のエネルギー量の加振となりました。それでも、実験終了後の検証では、一部にクロスの切れやタイルのひび割れ、瓦の割れがあるものの、構造体の交換が必要となるような大きな損傷はありませんでした。

地震に強い構造へのこだわりを感じました。
株式会社大林組 技術研究所 上級主席技師 佐野剛志氏

株式会社大林組 技術研究所 上級主席技師 佐野剛志氏この実大住宅振動実験は、国内外で観測された様々な大地震動を高精度で再現できる「ダイナミクス実験棟」の三次元振動台を利用して行いました。低層住宅での実験では、日本最大の加振能力(入力加速度3000ガル)を有する振動台で、世界で初めて東日本大震災の震動にもチャレンジし、住宅の健全性を隅々までチェックする姿勢に、パナホームの「大地震にも、繰り返す地震にも負けない構造へのこだわり」を感じました。

※当実験は鉄骨軸組構造の実大住宅にて実施しています。実験後の検証にて、建物や構造体に目立った損傷はないことを確認しています。※大地震は気象庁震度階級の震度5(強)以上、中地震は震度4および5(弱)程度の揺れを目安としています。※当実験は基礎がない状態で実施しております。※基礎については、本実験施設では確認できない為、他の実験でクラック・割れが生じても建物が安全であることを確認しております。※建物条件によっては同様の実験結果とならない場合もございます。※今回の実験で鉄骨軸組構造の高い耐震性は確認できましたが、実際の地震におけるお客さまへの保証は保証基準によりますのでご注意ください。

構造 × 空気 × 時間