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パナホームの外壁「キラテックタイル」や「キラテックガラス」には光触媒というふしぎな技術が使われています。光触媒技術の発見者で(財)神奈川科学技術アカデミー理事長である藤嶋昭博士に、光触媒発見のエピソードや実用化にいたるまでの苦心談、今後の応用が期待される分野などについてお話をお聞きしました。
聞き手はパナホームの上田社長です。
(構成:編集部/敬称略) |
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光触媒研究の第一人者である藤嶋昭博士(右)とパナホーム社長、上田勉(左)。 |
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先進の光触媒技術が生きる「キラテックタイル」の外壁。太陽と雨の力を活用し、美しい外観を保ちます。 |
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光が当たることで化学反応を促進させる光触媒。その作用は、「葉緑素」を触媒として二酸化炭素と水から酸素を作り出す、植物の光合成とよく似ています。 |
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| 上田 |
今日はありがとうございます。まず最初に、藤嶋先生が世界で初めて「光触媒」を発見された研究についてお聞かせください。 |
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| 藤嶋 |
私が東大の大学院に進んだ1967年に、半導体の一種である酸化チタン※1を用いた実験をしました。酸化チタンの電極を水に入れて光を当てたらガス(泡)が出てくる。それを分析すると酸素だったんです。酸化チタンはダイヤモンドに近い安定した性質ですので、溶けて泡を出すことはありません。じゃあガスはどこから出てくるのか。水からでしかありえない。光を当てることによって水が分解し、酸素が出ていたんです。一番驚いたのは、太陽光を当てるだけで水から酸素が出ること。つまり光触媒反応というのは、植物の葉の表面で起こっている光合成反応※2に似ているわけです。酸化チタンが葉緑素のような働きをしているのではないか。それに気がついたとき、とても感動しましたね。 |
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※1 酸化チタン(単結晶)
金属チタンと酸素が化合した物質で、通常は二酸化チタン(TiO2)をさす。酸にもアルカリにも溶けず、無害。 |
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※2 光合成反応
主に植物が行う生化学反応。太陽光を利用し、空気中の二酸化炭素と水から酸素と糖類(炭水化物)をつくる。 |
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上田 |
光触媒反応を発見されて、それをどのように展開しようと考えられたのですか? |
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藤嶋 |
酸化チタンの電極から酸素が出るのと同時に、対極につなげた白金電極からは水素が出ます。水から酸素と水素が出るんですね。私たちの発見を1972年に『Nature』誌※3に論文として発表した翌年、第一次オイルショックが起こりました。それで欧米の研究者たちが光触媒に注目したんです。水から太陽光を使ってクリーンエネルギーの水素がとれるなら、石油がなくなっても大丈夫なんじゃないかということです。 |
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上田 |
光触媒への関心が一気に高まったわけですね。 |
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藤嶋 |
それでしばらくは、水素をいかに安い材料で効率よく取り出すかという研究を進めました。1日で水素が7リットル位とれたこともありますが、それを実際に燃やすと一瞬でなくなってしまう。水素を大量に取り出すのは難しいと実感しました。 |
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上田 |
光触媒の実用化は簡単なものではなかったということですね。 |
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※3 『Nature』誌
世界的に権威のある科学雑誌。イギリスに本拠を置き、欧米をはじめ各国版が発行されている。 |
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光触媒発見のエピソードや実用化にいたるまでの苦心談を聞く、パナホーム社長、上田勉。 |
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| インタビューが行われたパナホームの溝口展示場。もちろん、キラテックタイル、キラテックガラスが採用されています。 |
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